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敬意を表する

当社は60歳を定年としておりますが、スタッフの合意があれば、65歳まで勤めて頂いております。それ以降は、全社員から絶対に残ってほしいという場合に限り65歳を過ぎても雇用を継続させて頂いております。

当社では70歳を超えて現役で在籍しているスタッフもいますが、やはり耳が遠くなったり、エクセルなどのPC操作が上手にできなかったりと、ある種ハンデを抱えながら仕事をしております。例えば、仕事の中で「●●さん!電話ですよ!」という声が聞こえなかったり、エクセルでの数字管理ができなかったりする現場はよく目にします。

その際に、多くの人はイラっとして声を荒げたり、「何でこんな事ができないの!?」という感情で相手に言ったり、鼻で笑ってバカにする態度をとる事もあります。私も会長に対して、PC操作で「何で今更こんな事聞くの?」「何で1回学んだことを覚えていないの?」と言ったこともあります。

そんな中、馬鹿にする態度をとる事無く、粘り強く冷静に相手に伝えているスタッフも見かけたため、本当に感心しました。おそらく、相手の出来ない理由をよく理解した上で、自分をコントロールしながら言動をとっているのだと思います。自分の思うように行かない場合にイライラするのが普通ですが、こういったコントロールができる人材は本当に貴重です。私自身、そういった人材と出会ったことで自分の行動を改めるキッカケにもなりました。

イライラした時というのは、そんな事を思い起こす間もなく、感情を顕わに出してしまうため、日ごろからイラっとした時こそ自分が試されていると思い、上記のようなコントロールができたら理想です。

特に65歳を過ぎて会社に残って頂いている人材は、会社として必要としている意味が大きいため、長年の功を称える気持ちを持ちつつ、敬意を表するべきです。

同時に、自分より年下だからといって無碍な態度をとるような事があってはいけません。年配者は知識や経験が豊富であるため、その人の考えが正しい事は多々あると思いますが、どんなケースでも正しい判断ができるわけではありません。そのため、若手から新しい発想のアイデアや改善提案があったら、真剣に向き合い、良い面と悪い面を総合的に考え、自分のプライドを省き、正しいと思われる道を選ぶ必要があります。この際に重要なのが、意見を述べる立場の人が相手を尊重しつつ、言葉に気をつけて話すことです。ここが守れないだけで、せっかく素晴らしい意見でも言い方ひとつで相手をカッとさせ、それ以降が冷静な議論ができなくなってしまうため要注意です。強い言い方でないと相手を説得できないという考え方は論外です。

理想は、お互いに敬意を払いつつ、冷静に意見交換をする事です。話しても聞く耳を持たないから意見を言うのを辞めようという習慣がゼロになるような会社の雰囲気づくりにしていきたいと思います。

ニッケン刃物代表取締役 熊田祐士